引き続きラメッシ・バルセカールのお話です。
質問者(レガン)は『私は成長しなければいけない、変容をおこさなければいけない…』と思っている人。スピリチュアルな世界に沢山いるタイプの方だと思います。
それに対してラメッシは『それが問題のすべてですね』と答えます。
第7章 教えが日常生活に与える影響
レガン:毎日瞑想することは、役立ちますか?
ラメッシ:何のために役立つのですか?それがすべての問題です。瞑想は何のために役立つのか?
レガン:心の平和のために。
ラメッシ:ああ!ということは、あなたが探しもとめているものは、心の平和なんですね。そして、それが期待ですね。
レガン:私は自分がいつも何かを探し求めていると思っています。
ラメッシ:はい、それがすべての問題です。
ですから、せっせと何かに励んでください。そして、もし、あなたがお金のために何もする必要がなければ、それは大変結構なことです。
でも何かをしてください。
何らかの助けを必要としている人たちが、あなたのまわりにいるはずだと、私は確信しています。あなたのまわりに、何か助けを必要としている人たちがいませんか?
もしあなたが人々を助けることができれば、彼らは「ありがとうございます。私はとても感謝しています」と言うはずです。そして誰か他の人から感謝されることは、ある種の満足感をもたらします。
人々があなたをほめたり、あなたに感謝を表したりしたとき、何が起こるでしょうか?
もし期待があれば、そのときプライド(自尊心)が生じます。でも、何の期待もなければ、誰かが助けられると、満足感だけが ”わき起こる” のです。
そして、もしあなたがしばらくの間これをやりつづければ、そのときには継続的な満足感それ自体が、あなたが求めている心の平和となります。
でも期待があれば心の平和になりませんーーあるのはプライドだけです。
レガン:わたしはいつも変化したいと思っています。悟りや変容についての、それから自分が変わらなければならないとか、自分が感じたいとか、こういったすべての観念が……
ラメッシ:自分自身を改善しなければならない、変えなければならない、変容しなければならないーーそれがすべての問題ではありませんか?
なぜ自分を変容すべきなのでしょうか?なぜ自分をありのままに受け入れないのですか?あなたが求めている心の平和は、あなたが”それを求めるのをやめて、ものごとを起こるがままにする”ときに”のみ”生じるのです。
このことを理解してください!これが理解のまさに基礎ですーー「誰も」、真我を覚醒した人ではありません。私の考えでは、これを理解することが非常に重要です。
どんな人間も真我を覚醒することはできません。事実、「私」は真我を覚醒したという思いこみがあるかぎり、真我の覚醒はまだ起こって”いない”のです。
おわかりですか?
ラメッシ・バルセカール
私が ラメッシ・バルセカール に触れたのは図書館の蔵書でした。今、この本は店頭ではなかなか手に入りにくいようですが、Amazonのレビューをみていると「一度捨てた」という方が何人かいらっしゃる様です(笑)
ラメッシの言葉を聞いて、普段潜んでいるエゴやプライドが暴れだすのかもしれません。それで本を手放してしまうのでしょう。
自分の中でタイミングが合ったとき、目を覚ましていこうと本気で決心した時に出会える本なのかも知れません。
<スポンサーリンク>
関連した他の記事も読む
ラメッシ|プログラミング、条件づけ、そしてプログラムされたコンピュータ
私がプログラミングと言うとき、それは受胎の瞬間に刻印された、ある生まれつきの特徴を意味しています。肉体的、精神的、直感的、感情的なものです。
…条件づけは常に起こります。そして、新しい条件づけが古い条件づけを変えることもあります。新しい観念が古い観念を消去します。
ラマナマハルシ|困難と体験|あるがままに
ラマナ・マハルシの『あるがままに』の本編『第五部 体験』からをご紹介したいと思います。第16章の『困難と体験』では冒頭に 身体的苦痛や不安、精神的混乱、感情の揺らぎ、そしてその合間にしばしば起こる至福
マハラジ|探求者とは自分自身を探している人だ
あなたが何なのかを知るために あなたが何でないのかを知りなさい あなたでないものをすべて発見しなさい
マインドのレベルにおいてはあなたは否定的言語によってしか描写できないということを明確に理解するほど あなたの探求はより早く終焉を迎える
誰がかまうもんか?! ―ラメッシ・バルセカールのユニークな教え