エックハルト・トールの本/考え方の中で面白い捉え方なのが『ペインボディ』。
彼の理論/考えでは、ネガティブな感情が湧いたときに、向き合わずにいると、その感情が消化されずに溜まっていってしまいます。
これを『ほとんどすべての人がもっている古くからの、しかし今も生き生きと息づいているこの環状のエネルギー場、それがペインボディである』と紹介しています。
この覚えやすい言葉『ペインボディ』は人間の持つ根源的なネガティブな意識、罪悪感や無価値感の基となっているものではないでしょうか。今の時代、この私達が根深く感じる罪悪感などのネガティブな感情の仕組を知り、それを癒していくことはとても重要になっていきます。
それは全人類に通じるカルマ=経験 の解消となっていきます。
個人と集団
ネガティブな感情が湧いたときには、きちんと向き合ってその正体を確認しておかないと、その感情が解消されず、あとに痛みが残る。
とくに子どもはネガティブな感情があまりに強いとどうすることもできなくて、それを感じないようにする傾向がある。敏感なおとながそばにいて解消し、ネガティブな感情とまっすぐ向き合うように愛情と共感をもって指導してやれればいいが、そうでない場合には、子どもにとっては感じないことが唯一の選択肢なのだ。
残念ながら、こういう子どものころの防衛メカニズムは成人後もひきずっていることが多い。ネガティブな感情は認識されずに当人の中に残り、不安や怒り、発作的な暴力、むら気、さらには肉体的な病気などの間接的な形で現れる。
心理療法士ならたいてい経験しているように、完璧に幸せな子ども時代を送ったと患者が主張しても、あとになって実はまったく話が違っていたことがわかるケースがある。
ここまでいくと極端だが、感情的な痛みを感じることなしに子ども時代を過ごした人間は誰もいない。両親がどちらも聡明であってもなお、人はだいたいは無意識の世界で育っていくものなのである。きちんと向き合い、受け入れ、そして手放すという作業がなされなかったネガティブな感情は痛みを残す。その痛みが積み重なり、身体の全細胞で活動するエネルギー場をつくりあげる。
このエネルギー場を形成するのは子ども時代の痛みだけではない。青年期や成人後のつらい感情も付加されていく。
その大半はエゴの声が生み出したものだ。人生のベースに間違った自己意識があると、感情的な痛みというのは道連れは避けがたい。
ほとんどすべての人がもっている古くからの、しかしいまも生き生きと息づいているこの感情のエネルギー場、それがペインボディである。
エックハルト・トール
エゴと切り離せない存在のようですね、ペインボディは。
でも、冷静にみたり、そういうのものだと捉えることできたら、
エゴもペインボディも、飼いならしてしまうことはできそうです。
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